
珈琲を飲んでても普通は興味がわかないであろう焙煎のお話するコーナー「焙煎のあれこれ」です。
焙煎に少しでも興味を持ってもらえれば、という想いで、自由に情報を提供していきます。
普通珈琲焙煎屋さんは、失敗した焙煎なんて紹介しないと思いますが、ここではどんどん紹介していきます。もし焙煎する方がいらっしゃった場合に少しでもヒントになれば。
焙煎なんて興味ねえよ普通に美味しい珈琲が飲みたいだけだよって方は、コーヒーライフの方をお楽しみください。
初焙煎、失敗
というわけで、これが失敗した焙煎の珈琲豆です。

写真を見ただけではあまりわからないと思いますが、失敗。
先日紹介したユニオンのサンプルロースターで、エチオピア・モカをはじめての焙煎した結果です。
さすが、手網焙煎と焙煎方法が全く違って勝手がわからなかったため、もう失敗も失敗。
温度が急激に上がりすぎ、蒸らしが十分にできず炒りムラが激しく、1ハゼと2ハゼの間隔が全くなく十分にというか全く香りが出せず、炒りが進みすぎ(焼き過ぎ)た状態。
淹れて飲んでみたんですが、香りが極端に少ない、酸味が全く感じられない、苦味が強すぎる、という感じで、飲めなくは無いんですができれば飲みたくないような状態に仕上がりました。
珈琲豆を作ってらっしゃる現地の方々にすいませんと謝りたい。
精進精進。
焙煎の状態
ちなみに焙煎には作業工程で豆の状態を表すのに、蒸らし、1ハゼ、2ハゼというのがあり、それぞれに意味があります。
間違ってたらご指摘ください。
蒸らし
⇒生豆の水分抜きを行い、生豆のサイズや乾燥度を均一にする作業を、蒸らし、と言います。炒りムラやサイズのばらつきを無くすようにするための工程ですね。
珈琲豆は「ハゼ」と呼ばれる段階で、大きく膨らみます。これは2段階あり、それぞれを「1ハゼ」「2ハゼ」と呼びます。
1ハゼ
⇒蒸らしを進めていくと、1ハゼが起こります。蒸らしの段階で発生した二酸化炭素や水蒸気の圧に豆が耐えれなくなって弾けるんですね。1ハゼの前に珈琲は若干縮み、1ハゼが起こると大きく膨らみます。この時に「パチッパチッ」という音がします。これがだいたい2,3分続きます。
2ハゼ
⇒一旦1ハゼがおさまったあと、2,3分経つとまたハゼが起こります。これが2ハゼです。1ハゼのあとどんどん香りが強くなり、「ピチピチピチピチ」という音がします。天かすを作るような時の油の跳ねるような音です。
失敗の原因と反省点
今回の失敗の原因は、ドラム内の温度が急激に上がりすぎたこと。これにつきます。手網焙煎では、火に網を近づける/遠ざけるの作業を目視を含めて簡単に出来たので、豆の温度が急激に上がり過ぎることはありませんでしたが、今回はドラム内という見えない部分があり、さらに珈琲豆の状態や温度などをほとんど意識することなく焙煎。これが失敗の原因です。こう書くと失敗して当たり前なんですがサンプルロースターを手に入れたことが嬉しくてテンション上がりすぎて全く考えてなかった。
という反省点を踏まえて、とりあえず温度を測ることができるマルチデジタルテスター
を購入しました。近日届くので、まずはそれを使って焙煎してみます。
あと、テストスプーンで、逐一豆の状態を確認することを忘れないこと。これ重要です。
このように、焙煎には専門的な知識が必要で、興味のある方はぜひ「田口護の珈琲大全
」をご覧ください。焙煎のバイブルです。